◎TOKYO PHOTO ; IRIYA ASAGAO ICHI 7.7 2012
入谷朝顔市の2日目はあいにくの雨模様。朝顔まつり会場の入谷鬼子母神前の言問通りは昼から歩行者天国で、120軒余りの朝顔業者と多くの露店でにぎわっている。雨に濡れたブルーやピンク、紫の大輪の花が美しい。路面に広げられた鉢、三段四段と棚の上に置かれた鉢が、狭い通路にびっしり並ぶ。粋な衣装の売り子も元気いい。
道路のこちら側は朝顔業者の店、向こう側は露店が並ぶ。あらゆる食べ物が揃っている。浴衣姿の子どもが金魚すくいをやったり、焼き鳥をほおばったり、かき氷をこぼしてお母さんに叱られたり…。
入谷の朝顔が有名になったのは江戸末期の文化・文政の頃。最初は御徒町の下級武士、御徒目付の間で盛んに栽培されていた。明治になると入谷の十数件の植木屋が朝顔を造るようになる。変化にとんだ大輪の花を咲かせる朝顔の不思議な美しさが江戸の人々にブームを巻き起こし、入谷界隈は朝顔を見物する多くの人でごったがえしたという。大正2年、最後の栽培農家が廃業して朝顔市は廃れてしまったが、戦後1948年に地元の有志と台東区の支援で再び入谷で朝顔市が復活することになり、現在も続く夏の風物詩となった。
谷中・根津・千駄木の路地も紫陽花の花が終わり、塀越しにみる朝顔が一服の涼を感じさせてくれる時節になってきた。
※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
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http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html
photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko
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