2012年3月16日金曜日

根津・谷中・千駄木(3)

◎TOKYO PHOTO  ; NEDU_YANAKA_SENDAGI NO3 11.3.2012








千駄木三丁目の須藤公園を抜け、汐見地域センター1階にある本郷図書館でゆっくり本を読んだりして休憩。団子坂上に建設中の鴎外記念館も平成24年11月1日に開館予定とのこと。鴎外記念館の後方、文京八中と汐見小学校を左手に見ながら日本医科大学に通じる道を進む。途中右手に入ったところに、鬱蒼とした屋敷林のようなところを見つけ近づく。

「千駄木ふれあいの杜」の看板の上にひょっこり鳩が止まっている。近づいても逃げない。看板の下でも数羽の鳩がエサを啄んでいる。敷地は決して広くはないが、ムクノキやシラカシなどの大木、ヤマモミジ、サザンカなどの中木が繁る。遊歩道もあり子どもたちには自然観察も出来る。都会の中にあって周囲の喧噪を忘れさせてくれる静かな空間。

この「千駄木ふれあいの杜」は平成13年10月に開設され、現在、山手線の内側で開設されている唯一の市民緑地という。文京区の案内板によると、江戸時代、ここは太田道灌の子孫である太田摂津守の下屋敷で、その当時は現在の日本医科大学から世尊院あたりまでの広大な敷地であった。明治に入ると屋敷は縮小し、大正から昭和にかけては市街化が進み、ほとんどが住宅地となる。「今も残る貴重な自然を残したい」という緑地所有者と文京区役所との間に「市民緑地契約」が結ばれ、一般公開されることになったということ。周囲の住宅もこの杜を囲むように建てられ、静謐さを保っている。

日本医科大学の間を通り根津神社へ。境内の乙女稲荷神社が穏やかな午後の光を浴びている。根津神社の前の坂は正式には新坂といい、根津神社が昔、根津権現(ねづごんげん)と呼ばれていたことから権現坂ともいう。また、森鴎外の小説「青年」に、S字を書いたように曲がっていると表現されたことから、S坂とも呼ばれてもいる。この坂を上ると東大野球場。野球部の威勢のいい掛け声が聞こえている。

※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto2.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html

photo ; 宇都宮 保 
文;長谷川 京子

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