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上野公園竹の台広場の噴水を過ぎて東京国立博物館前を左手に進み、旧因州池田家上屋敷表門の黒門、博物館動物園駅跡を右手に曲がった先に、国際子ども図書館がある。東京芸術大学音楽学部の裏手になっていて少し分かりにくい場所にあるためか、それとも建物が立派過ぎて自由に無料で出入り出来ると知らないためか、広々した館内に入場者は少ない。
前身は1906年に上野公園内に建設された帝国図書館。その後1949年に国立国会図書館と統合されて国立国会図書館支部上野図書館となり、1961年に永田町に国立国会図書館が出来たことで蔵書の大半はそちらに移った。
改修工事を経て国際子ども図書館として全面開館されたのが2002年。免震措置が施され、裏手には新たな構造が建て増しされた。建物は明治期洋風建築の代表作のひとつで東京都選定歴史的建造物に指定されている。正面から見るとルネサンス様式を取り入れた重厚さと美しさが際立つ。中に入るとさらに驚くことに天上や壁の漆喰装飾、大階段の手摺や、列柱、扉などどれをとっても鑑賞に値する。できるだけ明治期の風合いを残すように改修設計を行ったのは安藤忠雄氏。
3階にある本のミュージアムをのぞいた。こちらでは日本における絵本と子ども文学の変遷を辿ることができる。大正7年に創刊された鈴木三重吉主宰すの児童雑誌『赤い鳥』から始まり、昭和初期、戦争時代、戦後から1999年と年代ごとに復刻版や初版の本が解説とともに並べられている。自分が子どもの頃に手にした本や、子どもに読み聞かせをした懐かしい本の数々があった。
◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko
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