2012年12月12日水曜日

東京大学の銀杏、東日本大震災救援復興と研究報告

◎TOKYO PHOTO THE UNIVERSITY OF TOKYO , GINKGOES ; 10.12.2012








◎text
12月初旬の週末、イチョウの紅葉を見に東大へ出かけた。根津神社近くの通称おばけ階段を上って、東大農学部の裏手からまず農学部の門前へ。農学部正門は尾州ヒノキと呼ばれる木曽地方のヒノキ材で作られた重厚なもの。1937年以来、毎日の開閉を繰り返してきた門は木部の腐朽、金物の脱落などで使用の限界に達していて、2003年に全面改修されたとのこと。向ヶ岡ファカルティハウスとレストラン・アブルボアの裏手にある柿が鈴なりになっている。

東大正門前まで来ると手前のイチョウの木はもう葉を大分落としていたが、奥に進むにつれて黄色が真っ盛り。足下はフワフワの落ち葉の絨毯さながら。土曜日とあって学生ばかりでなくグループで見に来ている観光客や家族連れが多い。風にヒラヒラ舞う様子に大人たちも歓声をあげている。

この日午後から、安田講堂で「第五回 放射能の農畜産物等への影響についての研究報告会」が行われた。今回は漁業や水田、イネ、有機肥料などへの影響を報告した6人の教授陣と福島県の果樹研究員による報告だった。この取り組みは、農学部の農学生命科学研究科の各専攻や附属施設の教員約40〜50名が、震災直後から放射性核種の動態調査のための支援研究を行っていて、研究対象は動植物から魚介類、水、土壌などを含め多岐に渡っている。

どの先生方も、現地に何度も足を運びサンプルを持ち帰っての調査や、地元の農家の人たちなどと共同で行う試験栽培など、様々な側面から調査研究を地道に続けている。まだ手探りの状態のようだが、4時間に及ぶ報告を聞いて調査研究は確実にすすんでいると感じた。「私たち研究者にとって最大の試練であり最大のテーマ」の言葉からも先生方のなみなみならぬ熱意も伝わってくる。来春には英語版の電子書籍による発表もあるという。福島の未来に希望を抱かせるとともに、私たち一人ひとりも出来るところから参加していくことが大切だと感じた。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko

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