港区虎ノ門 撮影；2011.9.23

◎TOKYO PHOTO  ; TORANOMON  23.9.2011

一週間前は真夏の日射しだったのに、台風が一気に秋を運んできた。秋分の日、爽やかな風に誘われて虎ノ門から東京タワー、芝公園、そしてレインボーブリッジまで歩いた。初秋の光景は刺激的で楽しい。

まずは虎ノ門。祝日ということもありビジネス街には人がほとんど歩いていない。東京メトロ虎ノ門出口から虎ノ門病院の方に向かうとすぐに金刀比羅宮がある。社殿の頭上に高層の虎ノ門琴平タワーが建っている。同じ敷地で琴平タワーに抱かれた金刀比羅宮という構図。琴平タワーの「金刀比羅宮との複合開発ビル。伝統と先進性が調和するスタイリッシュなオフィスビル」というコピーを見ると、都会のど真ん中で神社を運営していく難しさが垣間みえる。

虎ノ門病院、国立印刷局、ホテルオークラ、アメリカ大使館へと続く。国立印刷局からアメリカ大使館に向かう坂道が「汐見坂」。現在では考えられないが、江戸時代中期以前には海が眺望できたらしい。アメリカ大使館からホテルオークラの正門へと続く坂が「霊南坂」。どこかで聞いた名前だと思っていたら、山口百恵が結婚式を挙げたことで話題になった霊南坂教会が近くにあるという。

ホテルオークラは周りのビルが新しく建て替えられていく中で、ひときわ年期の入った老舗ホテルだ。本館と別館の間に大倉集古館がある。名前の通り、明治から大正時代にかけて活躍した実業家・大倉喜八郎が蒐集した日本・東洋の古美術品を所蔵するために設立した、日本で最初の私立美術館。ホテルオークラを作った息子の喜七郎が蒐集した作品も所蔵されている。屋外にも仁王立像や灯籠、梵鐘、釈迦如来坐像など数多くの仏像などが展示されている。

テレビ東京前の城山通りをくだり、安田通りから東京タワーへと向かう。

photo ; 宇都宮 保
文；長谷川