2012年6月25日月曜日

国立西洋美術館前庭のロダンの彫刻(台東区)

◎TOKYO PHOTO  ; THE NATIONAL MUSEUM OF WESTERN ART 22.6.2012









国立西洋美術館の広い庭にオーギュスト・ロダンの彫刻が数点飾られている。ロダンは19世紀を代表するフランスの彫刻家で『近代彫刻の父』と称される。門を入って右手奥にある圧倒的存在感の「地獄の門」。高さ540cm、幅390cm、奥行100cmもの大きさで背景の深い木々の緑に映える。

ロダンは1880年、フランス政府からの要請で国立美術館のモニュメントとしてこの門を考案したが、美術館の建設計画は白紙に戻ってしまい、「地獄の門」を自らの物として彫り続けた。「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」の銘文で知られるダンデの叙事詩『神曲』地獄篇がテーマになっている。

「地獄の門」の両側に「アダム」の像と「エヴァ」の像が並んでいる。その手前に唯一のブールデル作「弓を引くヘラクレス」の雄々しい像がある。

左側の広場にあるのは「カレーの市民」。この作品は、英仏百年戦争を題材にして1888年に完成した。1347年の百年戦争時、フランスの重要な港カレーが一年以上にわたってイギリス軍に包囲されていた。降伏したフランス側は、街の城門の鍵と自ら犠牲となることを志した6人をイギリス軍に差し出した。死に直面した6人の絶望と苦悩の表情が胸を打つ。

その向こうに「考える人」の像がある。「地獄の門」の真ん中の「考える人」を大きくして単体にしたのがこの「考える人」。静岡県立美術館(ロダン館)や京都国立博物館にもあり、現在ロダン美術館によって真正品と認定されているものは、世界に21体存在しているという。

※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto2.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html

photo ; 宇都宮 保 
文;長谷川 京子

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