◎TOKYO PHOTO ; FURUKAWA PARK no2. 13.6.2012
旧古河庭園の洋館と西洋庭園はジョサイア・コンドルの設計によって1917年(大正6年)に造られた。コンドルは明治10年、日本政府の招聘を受け24歳で来日して以降、教鞭をとるかたわら数多くの洋館の設計に着手した。旧古河庭園のほかに鹿鳴館、ニコライ堂、横浜山手教会、三井家倶楽部、島津忠重邸(現清泉女子大学)、旧岩崎邸などがある。コンドルは工部大学校(現・東京大学工学部建築学科)の教授として、日本銀行本館や東京駅などを設計した辰野金吾、赤坂の迎賓館を設計した片山東熊などそうそうたる人物を育成している。
日本庭園は京都の庭師・小川治兵衛の作。治兵衛は平安神宮・円山公園・無鄰庵(山縣有朋公邸)・清風荘(西園寺公望公邸)など国指定名勝指定庭園の作庭、さらに平安神宮、京都博物館前庭や住友家・三井家・岩崎家・細川家等数多くの名庭を残す。現在の小川治兵衞(1942~)は11代目とのこと。
心水池を中心にした日本庭園の端、鬱蒼とした木々に囲まれた一角に茶室がある。遠巻きに眺めるように道が造られ、モミジやカエデの古木と苔むした庭が風情を醸す。お茶席利用の場合のみ入室可能で、春と秋の限られた日のみとのこと。
また洋館は現在、財団法人大谷美術館が管理を行っている。1階は喫茶室になっていて、テラス越しにバラ園・日本庭園を望むことができる。洋館内を見学することも可能だが、希望日の10日前までに往復葉書での事前申し込みが必要とのこと。
photo ; 宇都宮 保
文;長谷川 京子
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