◎TOKYO PHOTO ; YANAKA NEDU SEBDAGI no5. 24.5.2012
谷中の三浦坂を下ってくると、文京区根津2丁目に突きあたる。狭い路地に昔ながらの家々がびっしり連なる。路地は入り組んでいて、どこを歩いているのか迷ってしまう程。どの家も軒下に植木や花々が飾られていて美しい。猫ものんびりくつろいでいる。
それほど広くない空き地に雑草がはえ、自転車が置かれている。この辺りでは雑草さえ貴重に思えるから不思議。路地裏に小さなカフェや居酒屋の看板がさりげなく置かれている。
紫と白の花びらが混ざり合ったいい香りの植木を、家々で目にした。ニオイバンマツリ、別名アメリカンジャスミン。香りが強くジャスミンと似ているため、アメリカンジャスミンという名がついたとか。咲き進むにつれ花が紫から白に変化するのが特徴で、最盛期にはまるで2色咲きのようになる。ニオイという名の通り甘い香りを放ち、株は結構大きくなるが、観賞用には低木に仕上げるとよいとのこと。
文京区根津は上野台地と本郷台地に挟まれた根津谷に位置し、根津一丁目と二丁目があるのみ。今は暗渠化されてしまったが、かつて藍染川も流れていた。根津神社の門前には明治半ば頃まで、根津遊廓と呼ばれた岡場所もあった。もとこの辺りは甲府藩主徳川綱重の屋敷地だということ。
夕刻が近づき提灯にあかりがともりはじめた。
※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; 宇都宮 保
文;長谷川 京子
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