◎TOKYO PHOTO UENONOMORI ; 11.10.2012
◎text
不忍池の蓮も茶色い実をつけている。池から公園内に上っていくと、途中に赤い鳥居が続く花園稲荷神社と五條天神社がある。鬱蒼とした木立に囲まれ場所もわかりにくいためか観光客は少ない。男性の外国人がふたり、そろりと赤い鳥居をくぐり階段を下りてきていぶかしそうな表情をしている。入口近くには韻松亭という茶屋と精養軒がある。
花園稲荷神社の正しい名称は忍岡稲荷(しのぶがおかいなり)で、石窟の上にあった事から穴稲荷とも言われているという。幕末の彰義隊の戦では最後の激戦地、穴稲荷門の戦として知られている。忍岡とは上野台地の旧称で、現在は学校名などに残るだけで地名としては消滅している。忍岡小学校は不忍池の西側に、忍岡中学校は鴬谷駅南口、道路を挟んで寛永寺霊園と隣り合っている。
精養軒の前を動物園方向に進むと、左手小高い丘の上に上野大仏パコダの顔が置かれている。わずかばかりの階段の先にあるので誰でも目にすることができる。初建は寛永八年(1631)。関東大震災で大仏頭部が落ち上野寛永寺内に胴体と頭部を別々に保存していた。第二次大戦時に軍の供出令により胴体を徴用されて顔のみが残された。昭和42年に上野観光協会が、薬師如来を本尊とし月光菩薩と日光菩薩を安置するパコダを建立したという。
都市緑化フェアの飾り付けを見ながら噴水のある竹の台広場に行くと、秋の柔らかな日射しのなかでみな思い思いに休憩している。カフェやレストランが出来て竹の台広場が新しくなったことで、上野の杜が開放的で明るいくつろぎの空間として多くの人に受け入れられている。
◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko
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