三軒茶屋 昭和女子大とその界隈

◎TOKYO PHOTO  ; SANKENCYAYA no2  1.4.2012

三軒茶屋のキャロットタワーとは反対側、昭和女子大学周辺を歩く。フーディアムというスーパーを過ぎたあたりで左折すると団地群と昭和女子大学の塀が見えてくる。外観を見学するだけならオッケーと守衛さんから許可をもらい大学構内に入る。入ってすぐ左が人見記念講堂。1980年の開館当初から東京都内有数の優れた音響のホールとして知られていて、様々なクラシック演奏が行われている。

その会館前にトルストイ像が建っている。昭和女子大学を創設した詩人・人見圓吉と緑夫人はトルストイの「愛と理解と調和」を基調とする教育観に理想を見出した。現在の学長は坂東眞理子氏。女性としての振舞い方をエッセイ風に説いた著書『女性の品格』がベストセラーになり大ブームを巻き起こした人。附属高校も構内にあり、スポーツをしているらしい若い声が聞こえてくる。

大学の周辺には、四十数棟の都営下馬住宅が建ち並んでいる。みな５階建て程度の中層団地で、住宅も集会所も看板も相当古い。築年数が50年以上を経過している建物もあり、建て替えで取り壊される住宅は既に囲いに覆われている。周辺住民へのアンケートや街づくり懇談会等、新しい街づくりに向け計画が進められているようだ。

駅裏の路地でカフェに人の行列がある。パンケーキママカフェVoiVoiというパンケーキ専門店。女性客が多いなか甘党男性も並んでいる。国産の小麦粉とバターミルクを使ったパンケーキで、注文後に粉を混ぜ、生地を作って焼くというこだわりのお店。店員さんの笑顔に誘われ並んで、少し高めの美味しいパンケーキを頂いた。

※東京都市モノローグ2011年の総集編（漂流する東京）
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photo ; 宇都宮 保　
文；長谷川 京子