千代田線千駄木駅から日本医科大の脇を抜けて大学同窓会の橘桜会館前に出ると、夏目漱石旧居跡の碑がある。ここは漱石が明治36年から4年近く暮らし『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』などを執筆した家があった所。漱石の妻、鏡子が語り娘婿の松岡譲がまとめた著書『漱石の思い出』の中に、室内の見取り図や漱石の暮らしぶりが描かれている。この本、妻鏡子の飾り気のないあけすけな性格からか、漱石のいろいろな側面が直截に語られていて、とてもおもしろい。
家にあるわずかばかりの畑から郁文館中学校の運動会が見えると『漱石の思い出』の中でも語られるが、すぐ隣に郁文館中・高校がある。そしてこの一帯は寺と坂と路地が多い。寺が多いから緑も多く、落ち着いた佇まいをみせる。
狭い路地をくねくね曲がりながら、ほうろく地蔵のある大円寺まで来る。
photo ; 宇都宮 保
文;長谷川
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