2013年4月4日木曜日

文京区音羽と小日向の3つの坂(鼠坂、八幡坂、鷺坂)










◎text
文京区音羽の鳩山会館周辺は高台になっていて、音羽通りに出るのに急坂を下らなければならない。ひとつが小日向3丁目から音羽1丁目にある鼠坂。住宅街の中にある階段付きで傾斜のある坂道で、坂の上から見下ろすと、ビルの6、7階位はありそうな高さに思える。坂の途中に各家に入る通路やマンションの入口などがある。半分が自転車道らしく、勢いよく下っていく自転車があった。

森鴎外は小説『鼠坂』のなかで「小日向から音羽に降りる鼠坂と云う坂がある。鼠でなくては上がり降りが出来ないと云う意味で附けた名ださうだ…人力車に乗って降りられないのは勿論、空車にして挽かせて降りることも出来ない。車を降りて徒歩で降りることさへ、雨上がりなんぞにはむづかしい…」とこの坂を描写している。舗装されていなかった時代はさぞ難儀の道だったことだろう。

鼠坂の上から南に少し進むと、右手のブロック塀ごしの広々した敷地に鳩山会館がある。この道沿いからは入館できない。鳩山会館を過ぎるとすぐこんどは八幡坂にかかる。坂の入口の新しいマンション脇に「石川啄木初の上京下宿跡」の標識もある。八幡坂の途中を右手に折れると今宮神社に出る。まっすぐ進んで鷺坂へ。

鷺坂は小日向2丁目にある坂で、急坂なうえ急カーブがあるので車は慎重な運転が必要。この坂上の高台は、徳川幕府の老中職をつとめた旧関宿藩主・久世大和守の下屋敷のあったところ。そのため地元の人は「久世山」と呼んで今もなじんでいるとのこと。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya
text;Hasegawa

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