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日暮里の富士見坂で路上写真展をやっていた。坂に沿ってある煉瓦塀と反対側のマンション脇の塀にも写真が飾られている。超望遠のレンズで富士山を捉えた写真や、夕日が富士山の山頂付近に沈む「ダイヤモンド富士」の写真など約150点が並ぶ。
1980年代のまだ富士山全体がよく見えていたものから、90年代に入って高層ビルがこっちに一本、また隣に一本と建ち、徐々に富士山が脅かされていく様子がよくわかる。むかし空気が汚れていない時代の東京は高い建物もなく、目視で富士山が見える日も多くあったことだろう。今はよほど空気の澄みきった日に微かに輪郭を捉えることが出来るだけ。写真をみて改めてその姿に感嘆する。写真展は2月3日(日)まで行われている。
写真展を開いたのは「日暮里富士見坂を守る会」。守る会では以前から富士山眺望を守るため取り組みを行ってきたが、昨年、大久保に建つ超高層マンションが富士見坂からの富士山眺望を阻害する可能性が高いとして、不動産会社や都知事などに対して高さの低減を求める要請書を出すなどした。
その後、近くの本郷通り沿いに富士山を完全に隠してしまう11階建てビルの工事が着手されることになり、建築主や文京区、荒川区、東京都や国交省に対して眺望に配慮した計画になるように要請を行った。建築主や施工業者に話し合いを求めてきたが、実現しないまま建築は進められているとのこと。31日、富士見坂から「ダイヤモンド富士」が見られるのが最後かもしれないということで、大勢の人たちが富士見坂に集まった。
◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya
text;Hasegawa
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