◎TOKYO PHOTO ; KAGURAZAKA 25.7.2011
神楽坂には雑誌などでよく採り上げられる小路があったのを思い出し、赤城神社に立ち寄った帰りに、隣にある東京都教育庁神楽坂庁舎の職員の人に聞いてみた。「毘沙門天の反対側の路地を入っていくと、石畳が敷かれていて、狭いながらいい雰囲気の場所があります。神楽坂も雑誌や地図を手に大勢の観光客が訪れるようになりましたけど、賑やかな表通りより、むしろ路地裏のほうが昔ながらの神楽坂らしい所が多いですよ」と教えてくれた。
そこは「兵庫横丁」と呼ばれ、旅館「和可菜」や、「幸本」「おいしんぼ」などといった料理屋が並ぶ風情のある一角。石畳と塀と緑が美しい。店先にさりげなく置かれたほうずき鉢や野菜を冷やした木桶、すだれや木製ベンチなど、日本の夏の風情が感じられて心地よい。
「和可菜」は50年以上この地で営業している老舗旅館という。著名な脚本家や小説家などが作品を仕上げるためにカンヅメになる旅館として知る人ぞ知る存在。山田洋次監督も「男はつらいよ」の台本をここで書いていたという。女将がひとりで切り盛りし、落ち着いた佇まいともてなしが集中する仕事を助けている。
もう一度毘沙門天に戻って大手門通りに入り、庚嶺坂(ゆれいざか)を下って外堀通りにでる。こちらの道もなかなかいい。東京理科大のきれいなキャンパスが何棟かあり、学食のある8号館で学生に混じって休憩をとった。
photo ; 宇都宮 保
文;長谷川
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