◎TOKYO PHOTO ; KANDA RIVER NO.1 28.7.2011
都会の真ん中にありお世辞にも清流とは言えなくても、川とそこに架かる橋の空間があるとほっとする。
神田川は三鷹市井の頭池を水源として、いくつもの区をまたいで流れ、最後は隅田川と合流する全長24.6kmの川だ。隅田川合流地点に近い万世橋から飯田橋まで、流れとは逆に歩いて川と周辺のたたずまいを楽しんだ。
最初は「万世橋」から見た光景。左側にある煉瓦作りの建物は旧万世橋駅の遺構。万世橋駅は神田駅と御茶ノ水駅の間に存在した国鉄中央本線の終着駅だったという。明治45年の開業で、1等2等待合室・食堂・バー・会議室等を備える赤煉瓦造りの豪華な駅舎だった。しかし、関東大震災や後に開業された秋葉原駅や神田駅の影響で乗降客は減少。昭和18年に駅自体が廃止され、古い煉瓦建築の高架線はそのまま「交通博物館」として使われ続けるが、そこも平成18年に閉鎖された。歴史に翻弄された駅であったが、この威風を漂わせる赤煉瓦は取り壊さず遺してほしいもののひとつだ。
次の「昌平橋」からは総武線と中央線の交差の様子を間近に見ることができる。総武線の神田川陸橋からのぞく川沿いの家並みが窮屈そうに建ち並んでいる。反対側の淡路坂沿いの赤煉瓦の高架下は、いくつかのレストランのお手頃なランチメニューが並ぶ。
御茶ノ水駅前の「聖橋」に出る。この美しい橋の全貌は次の「お茶の水橋」から見たほうがいい。昔から「お茶の水渓谷」と呼ばれているこの辺りは、川面をのぞくとその高さに驚く。さわやかな風をうけながら「水道橋」方面へ。
photo ; 宇都宮 保
文;長谷川
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