2013年5月31日金曜日

谷中墓地前、多宝院から須藤公園、千駄木山界隈

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI 17.5.2013










◎text
さんさき坂を上って少し広い通りにでると、谷中霊園入口がある。小さなポケットパークにトイレや説明板があって、そこから中央園路の通称「さくら通り」へと続く。「さくら通り」手前には、三原家、おもだかや、坂本屋、金子屋、花重、ふじむらやなど、屋号の付いた花屋さんが昔ながらの佇まいを残して並んでいる。

江戸期には、中央園路は感応寺(現在の天王寺)の参道だった。感応寺で富くじが行われ、大いに賑わったという。この客を当て込んで茶屋が参道入り口に立ち並び、現在でもその名残りから墓地関係者はこれらの花屋のことを「お茶屋」と呼んでいるとのこと。

霊園入口のポケットパークの道路を隔てた向こう側にある寺は多宝院。この寺には立原道造の墓がある。立原道造は1914年(大正3年)に生まれ、昭和初期に活躍した詩人で、東大工学部建築学科を卒業した若き建築家でもあった。結核のため24歳の若さで夭折した。『萱草に寄す』『暁と夕の詩』『優しき歌』『散歩詩集』などの詩集があり、その優しく抒情的な詩風は共感を呼び、墓地には今も若いファンが足を運ぶという。

文京区弥生にあった立原道造記念館は、2011年2月に閉館となった。その後、彼が夏になると好んで訪れた軽井沢・追分に近い上田市の信濃デッサン館内に、立原の直筆の原稿や詩歌集、絵画など数百点が移された。2012年に「立原道造記念展示室」が新設され公開されている。

多宝院から寄り道をして谷中のお寺を散策したあと、さんさき坂を下って、須藤公園、千駄木山のバラなどを見ながら、界隈をぐるっと巡った。


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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya
text;Hasegawa

2013年5月29日水曜日

谷中・根津から上野桜木、東京藝大へ

◎TOKYO PHOTO FROM YANAKA TO UENOSAKURAGI ; 19.5.2013










◎text
台東区谷中には、人がひとり通るのが精一杯という幅の、迷路のような路地がたくさんある。家々がまさにくっついて軒を連ねている。これらの家を建てるには、木材や資材のひとつひとつを手で運んで作るのだろうが、苦労が思われる。

そんな路地を静かに歩いていると、必ず猫に出会う。路地の一番奥に小さな祠もある。桑の木がたっぷり実をつけている。今では木いちごのラズベリーやブラックベリーがもてはやされているが、この桑の実も果実酒にしてもそのまま食べてもおいしい。子どもの頃は「どどめ」と言って、唇を紫にして食べたものだが、この呼び名は、養蚕が盛んな埼玉県や群馬県の一部で古くから使われている方言らしい。

言問通りの坂を上って台東桜木郵便局前に出て、国登録有形文化財造物市田邸、上野桜木会館から東京芸大へ。東京芸大では、「夏目漱石の美術世界展」が5月14日から7月7日まで開催されている。この展覧会では、漱石の文学作品や美術批評に登場する画家、作品が多数集められているとのこと。

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2013年5月28日火曜日

5月の谷根千 谷中から根津の路地の小風景

◎TOKYO PHOTO NEZU-YANAKA-SENDAGI ; 19.5.2013








◎text
谷中の路地に、「茶ノ間」という、古いが味わいのある小さな一軒家があって、そこは週末にワークショップやイベントを開催したり、和の小物を販売したりしている。よみせ通りからは、閉店してしまった中華の春木屋と、ギザギザ屋根が特徴の旭プロセス製版の駐車場の間を入ったところにある。一銭洋食の看板があり、休憩タイムによさそうだ。

へび道の入口にある「petticoat lane(ペチコートレーン)」は、バラの花に包まれたオシャレなカフェ。週末の夜などはライブイベントなどが行われることもあり、音楽が聞こえてきたりすると、ちょっとウキウキする。

へび道の途中の鞄屋さんは、いつも店の前に段ボールを置いて、その上に鞄が並べられている。小さな本屋さん、ワインバーなど評判の店も多い。

蕎麦の「鷹匠」。通路を入って暖簾をくぐると、さほど広くはないが、低くて長い大きな白木の座卓が並ぶ。昼間からお酒と盛り合わせと本格的な蕎麦という、贅沢なひと時を過ごすことができる空間が広がっている。改築中の染物・洗い張り「丁子屋」はすぐ隣。さらに先には、いちごのスイーツの専門店や小さな雑貨屋さんなどもある。

藍染め大通りでは消防訓練が行われていた。消防団のなかに若い女性もいる。最近は電車の運転席にも女性が座っていて、女性の進出が好もしい。

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2013年5月27日月曜日

5月の谷根千 路地の小風景 千駄木山から坂下へ

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 16.5.2013
千駄木山の猫

フランス料理レストラン「ブラッスリー ぺルル」

よみせ通りで

大給坂下の稲荷神社の猫

谷中の路地

千駄木三丁目児童遊園




◎text
文京区千駄木の大給坂から路地を歩いていると、上品な黒猫を見かけた。近づいても逃げない。この界隈は落ち着いた豪華な邸宅が並んでいる。どこで飼われている猫なのか、ちょこんと佇んでいる様子は育ちの良さを感じる。

先には、フランス料理のレストラン「ブラッスリー ぺルル」があり、看板にはランチとディナーのコース料理、フランスワインなどが書かれていて本格的。ときどき暗くなってから通ると、女性のグループや老夫婦などがゆったり食事している。

この辺りの高台は、昔は千駄木山といって雑木林だったという。江戸時代から駒込千駄木町、駒込千駄木林町、駒込千駄木坂下町、駒込動坂町と呼ばれていた地域が、1960年代の住居表示実施によって、千駄木1〜5丁目に変更された。

大給坂を下りて不忍通りに出る手前に、小さな稲荷神社があり、その入口にいつも猫がいる。まるで稲荷神社の見張り番のように。この猫も誰からもいじめられたことがないのか、ゆったりおっとり、人間を信頼している様子。

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2013年5月24日金曜日

5月 谷中の路地の小風景

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 18.5.2013









◎text
小さな路地は住民の生活通路。子ども達もここを通って学校に通う。谷中3丁目のこの路地は、谷中銀座のお茶屋さん金吉園とやなかスーパーの間を入っていく。すぐ左に中華料理の一寸亭、まっすぐ進んで、左にちょっとまがってまたまっすぐ。距離にすると100メートルか150メートル位。阿部建築と看板のある建築屋さんの前に出る。

左折すると岡倉天心記念公園に突き当たり、手前に黒いブロック塀に囲まれた改修してこの春オープンしたカフェ「HAGISO」がある。岡倉天心記念公園は、東京美術学校(現・東京藝術大学)の設立にかかわり、日本美術院を創設した岡倉天心の旧居跡。昭和41年、岡倉天心史跡記念六角堂が建てられ、六角堂内には平櫛田中作の天心坐像が安置されている。

その前を進み、谷中コミュニティセンターの手前を左折すると「蛍坂」に出る。狭い路地の、どの家の軒下にも小さな花壇が設えられたり、鉢を並べたりして、春の花が可憐に咲く。

「蛍坂」の狭い坂を上って、取り壊されすっかり整地された谷中コミュニティセンターを見下ろす。

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2013年5月23日木曜日

えちご長岡・佐渡広域観光フェア2013(上野公園)

◎TOKYO PHOTO ECHIGONAGAOKA-SADO,SIGHTSEEINGSEE-FAIR ; 19.5.2013













◎text
5月18日と19日の2日間、上野公園竹の台広場で「平成25年度 えちご長岡・佐渡広域観光フェア」が開催され、大勢の人で賑わった。東京国立博物館と噴水をバックにした特設舞台では、佐渡の民謡「佐渡おけさ」や「両津甚句」などの歌と踊りが披露されていた。

えちご長岡地方のゆるキャラたち、小国の「おぐりん」、小千谷の「よし太くん」、山古志「小太郎」が紹介されると子どもたちは大喜び。一緒に写真をとったりしている。また「佐渡たらい舟娘」のお二人もカメラを向けると素敵な笑顔で応じてくれた。

フェアの入口には雪山が作られていて、子ども達が冷たい雪にさわって気持ち良さそうに遊んでいる。その隣では「丸太早切選手権体験!」が行われ、上着を脱いだ若者が汗だくで丸太の早切りに挑戦。反対側の刀鍛冶体験コーナーでは、マイナイフを作っている人もいた。

ずらりと並ぶテントでは新潟の地酒の試飲や販売、ホタテやイカや肉などの串焼きがいい匂いを振りまき、栃尾の揚げたてのあぶらげ実演販売の前では長い行列が出来ている。また、お米や笹団子、酒粕アイスクリームやこしひかりドーナツなど女性が好む甘いものもたくさん売られていた。

特設舞台前ではテーブルと椅子が置かれ、みな美味しそうに食べている。子ども連れのお父さんも、お酒を片手に真っ赤な顔をしてご満悦。

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