2014年10月20日月曜日

特別フォーラム「総長と語ろう! “タフ&グローバル”」を聞く(東京大学ホームカミングデイ)

◎TOKYO PHOTO UNIVERSITY OF TOKYO ; 18.10.2014
●開催日 10月18日11時10分〜13時

のっけから、パネラーのひとりが壇上で大きなアクビをしている。こういうシーンはなかなかみられない。モデレータの大越健介氏(NHKニュースキャスター)が、「ひとり自由な雰囲気の人が」と軽くいなすと聴衆から大爆笑。

面白かった。堅実な大学人と、型破りの起業家・企業人の発言の対照性。その両者の手綱を緩めたり締めたりと絶妙にバランスをはかる大越氏の司会ぶりがまた秀逸。学生時代には東大野球部でピッチャーをしていたというだけあって、そのあたりの駆け引きはたいしたもの。

フォーラムでは、最初に言葉の壁について大越氏から問題提起。これにはチームラボの猪子寿之氏が「20世紀は言語の世紀、21世紀は非言語の世紀」。だから「英語はちっとも覚えようとは思わない」といった大胆な発言も。猪子氏は「感動」の共有による言葉の壁を越えたグローバルな新しいルールを創りたいという。

その「新しいルールをつくるためには今あるルールを知ることが大事」と東大の現役学生から発言があると、「そこがそもそも間違い。多様化の時代にあってそれは不可能。むしろ今のルールをいかに捨てていくかが大事」と猪子氏は持論を展開。すると、「総長としては学生の味方をしたい」と浜田総長が、前提となる共通のベースを理解することも重要と反論。ここまでいくと禅問答を聞いているようで楽しかった。

もうひとりのパネリストである「トイレ界のスティーブ・ジョブズを目指す」というLIXILグループの藤森義明氏は、タフな企業人という印象。お隣の席の猪子氏との丁々発止のやりとりも、やんちゃな子ども同士がケンカをしているようで腹をかかえて笑ってしまった。

フォーラム後半部分。グローバルというテーマに関し、政治的な意味でいまのナショナリズムの風潮をどう思うか、との大越氏から問題提起には、時間的な制約もあったのか、議論が進展しなかった。グローバルには光と影の部分がある。重要な問題だけに議論の深まりがなかったのは少し残念。

●パネリスト
濱田 純一氏  東京大学第29代総長
藤森 義明氏  株式会社LIXILグループ取締役代表執行役社長兼CEO
猪子 寿之氏  チームラボ株式会社代表取締役社長
松本 麻美氏  Active Connector CEO
園田 茂人教授  東京大学国際本部国際センター副センター長大学院情報学環・東洋文化研究所教授
友田 彬さん 工学部システム創成学科知能社会システムコース4年

●モデレータ
大越健介氏 NHKニュースウォッチ9キャスター


◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
http://photos-of-tokyo.blogspot.jp/

◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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text;Utsunomiya

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