アジアオーケストラウィーク2014が東京オペラシティコンサートホールで開催されている。10月6日(月)、19時開演のキョンギ・フィルハーモニー管弦楽団(韓国)の公演を聴いた。
曲目:
・ルトスワフスキ/小組曲
・ショパン/ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
・ブラームス/交響曲 第4番 ホ短調 作品98
ショパンのピアノ協奏曲第1番は秀逸。ピアノのまろやかでキラキラした音色がオーケストラと一体となって、ショパンを十分に味わった。ピアノが主張しすぎずオーケストラの音をしっかり捉え、オーケストラの土俵の上で抜群のテクニックで縦横無尽に走り抜ける演奏は、聴いていて心地よい。
ピアニストのウィリアム・ヨンは、欧米を中心に活躍している韓国出身の30歳。エリザベート国際コンクールで入賞し、2011年にはミュンヘンでバイエルン芸術賞を受賞した経歴を持つ。ブラボーの歓声と拍手はいつまでも鳴り止まなかった。
後半はブラームス交響曲第4番。この曲は個人的に思い入れがある。クラッシックへの扉を開けてくれた大切な一曲で、かつてカラヤン指揮するベルリンフィルのCDを耳に蛸ができほど聴いていた。そんな思い出に勝てる演奏はそうそうあるものではない、と改めて感じた。
アンコール曲はハチャトゥリアンのバレエ音楽「スパルタクス」よりスパルタクスとフリーギアのアダージョ。初めて聴く曲、際立つ美しい旋律に嬉しさ倍増。足を運んでよかったとしみじみ思う瞬間だ。
キョンギ・フィルハーモニー管弦楽団は、ソウル近郊に位置する水原(スウォン)市に1997年、韓国初のオーケストラとして創設された。現在、楽員数102名を擁するシンフォニー・オーケストラとして演奏活動を行っている。指揮者のシーヨン・ソンは1975年プサン生まれ。韓国初の女性指揮者として、韓国国内のオーケストラのほか、ボストンやスウェーデン、ベルリン、日フィルなど海外の多くのオーケストラと共演している。
前日のホーチミン市交響楽団といい、こうしたアジアのオーケストラの熱演に観客は惜しみない拍手を送っていた。
text;Hasegawa
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