東京芸大では、学生に単位を与える授業の一貫としての「学内演奏会」なるものがある。5月から6月にかけて行われ、一人あたり約30分と短いが、学内の奏楽堂で一般公開(入場無料)されている。平成26年度の芸大3年ピアノ科の演奏を聴きに行った。
ピアノ科の演奏は5日間行われる。演奏者も順番も曲も、当日のプログラムを見るまではわからない。午後1時30分から夕方まで5人が演奏。みな熱演であったが、この日の秀逸は務川慧悟(むかわ けいご)くん。バッハのイタリア協奏曲へ長調とバッハ=ブゾーニのシャコンヌニ短調を聴かせてくれた。イタリア協奏曲は安定感のある演奏。シャコンヌはふくよかでのびやか。務川くんの宇宙に連れて行ってもらった至福のひと時だった。
5月21日の演奏会では、阪田知樹くんのベートーベンとリストにも大感動した。音の一粒一粒に神経が注がれた演奏で、胸が苦しくなるような緊迫感と解き放たれたあとの浮遊観が何ともいえず心地よかった。
ふたりは3年生ながら、2014年度のモーニングコンサートにも選抜されていて、務川くんは来週6月26日(木)にラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、阪田くんは7月24日にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番を弾く。
text;Hasegawa
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