2014年6月30日月曜日

6月の谷根千 藍染大通り

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 6.2014


◎text
不忍通りの根津神社入口交差点から東側は、藍染大通りと呼ばれる。大通りというほど広い通りではないが、谷根千エリアの中にあっては、広い部類に入る。反対の西側は根津神社の表参道で、こちらは一方通行の車が一台やっと通れる程度。

藍染大通りは毎週日曜11:00~16:00が歩行者天国。入口にはバリアが置かれ、子供たちがボール蹴りやキャッチボールなどしている姿をよく目にする。

藍染大通りには古くからのお店や建物が在って、薬局前のゾウを模したマスコットキャラクターなど、懐かしい雰囲気が漂う。歩道にはツツジが植えられ、レンガが敷かれている。家の軒先の植木や鉢植えから緑がたっぷり。シャアハウス「Old Town House根津」には今年も蔓が覆い繁っている。

藍染大通りの入口には行列のできる蕎麦屋「よし房 凛」があって、通り沿いには甘味処「芋甚」、ビストロ「アンクル」、イタリアンの「Luce (ルーチェ)」、カフェバー「猫八」など入ってみたい店が多くある。その先に新しくカフェバー 「Bon Fire」 がオープンした。こだわりのビールやつまみが美味しいそうだ。

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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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東京藝大モーニング・コンサート(第6回)

先週の6月26日(木)、11時から東京藝大奏楽堂でモーニングコンサートが開かれた。

演目は
山本 楓(Ob) モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 KV314
務川 慧悟(Pf) ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
指揮:ペーター・チャバ 芸大フィルハーモニア

6月中旬に学内演奏会で素晴らしいバッハを聴かせてくれた務川慧悟くんの演奏とあって、嬉々として出かけた。モーニングコンサートは、各学科から選ばれた学生が藝大フィルハーモニアとの共演で協奏曲などを演奏する。年13回の公演がある。前売券は藝大アートプラザで店頭販売しているが、当日券もあって10時過ぎから奏楽堂入口で買う事もできる。

山本楓さんのオーボエは、暖かみのある音色で伸びやか。モーツァルトの軽やかさも感じられて心地よかった。務川くんは落ち着いた堂々たる名演。バックのオーケストラを巧みに操って、ピアノのひとり舞台といっていい。音色は自由自在に変化して聴衆はグイグイ引き込まれていく。演奏終了後、満員の客席から割れんばかりの拍手と「ブラボー!」の声。拍手は鳴り止まず、何度もカーテンコール。アンコールがないのが残念。

務川くんは2年前の第81回日本音楽コンクール第1位とのこと。これまでに様々なオーケストラとの共演し、力をつけてきている。将来を嘱望されるピアニストのひとり。

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2014年6月26日木曜日

6月の谷根千 へび道から千駄木・根津の路地

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 6.2014








◎text
窓越しに、ちょこんと行儀よく座っている犬は、へび道の入口にあるアンティーク雑貨店の看板娘(?)。特養ホーム谷中を通り過ぎて、くねくねとした道を進み、さらに路地を一本奥に入ると、つむぎカフェがある。古民家風の建物の一階は和雑貨店、二階がちゃぶ台カフェになっている。相当わかりにくい場所にある。

根津の藍染保育園の脇から入る狭い路地の先には、小さなパン屋さん「ボンジュールモジョモジョ(Bonjour mojo2)」や「マルヒ(MARUHI)」の、不思議なマークの建物がある。入口に懐かしい形のテレビが置かれていて、中に招き猫が納められている。ここは、大正6年(1917年)に建造された元質屋をリノベーションしたギャラリー。和室六畳間に隣接した「座敷蔵」が特徴で、展覧会、展示会、イベント、ワークショップ、カフェなどとして利用されているという。

路地と、古民家と、家々の軒先の草花は、へび道から藍染大通り界隈、不忍通りふれあい館から奥に入った根津2丁目界隈が、何といっても楽しい。

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2014年6月23日月曜日

6月の谷根千 長久院の紫陽花と感應寺のクスノキ

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 6.2014








◎text
この日は、谷中の初音広場から上野桜木まで。初音広場裏手の階段を上っていくと観音寺の築地塀前に出る。築地塀の向かいも手間ひまをかけた土塀が普請中で、間もなく完成するようだ。

三崎坂を渡って、初音幼稚園前から南に150メートルほど進むと長久院がある。瑠璃光山と号する真言宗豊山派の寺。この時期、紫陽花が見事に咲く。

さらに進んで、自性院の先にある感應寺に入る。山門を入ると、本堂前に飼い犬がどっしり座っていた。奥には墓地が広がっていて、自性院や大泉寺、長久院、妙雲寺などの墓地とブロック塀で区切られている。隣の妙雲寺とのブロックを跨いで、巨大なクスノキが枝を広げている。保護樹林のうちの一本。感應寺には江戸末期の医師・儒学者、渋江抽斎の墓がある。

銭湯を改装し、1993年にオープンした現代美術ギャラリー「SCAI THE BATHHOUSE」前に出る。台東区のイベントポスターが賑やか。

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2014年6月22日日曜日

東京芸大 ピアノ科の第5回学内演奏会

一昨日、東京芸大音楽学部ピアノ科の第5回学内演奏会に出かけた。ピアノ科はこの日が最終日。開演は13:30分、終演は16:20分。5人の演奏を最後まで聴いた。

プログラムは以下。
1. 白井 聖也/F.ショパン「4つのマズルカop.17」「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ0p.22」
2. 日比 麻琴/M.ムソルグスキー「組曲 展覧会の絵」
3. 鈴木 鞠奈/スクリャービン「左手のための2つの小品op.9」V.ベッリーニ=F.リスト「ノルマの回想S.394」
4. 木邨 清華/F.プーランク「3つのノヴェレッテFP47,173」「ナゼルの夜会FP84」
5. 佐藤 元洋/R.シューマン「謝肉祭op.9」

この日は最後に弾いた佐藤元洋さん、シューマンの謝肉祭の力演に感動。リズムや強弱など抜群にコントロールされていてる。変化に富んだ20曲から構成されているこの曲を、精密にしかも彩り鮮やかに歌い上げてくれた。素晴らしいひとときに感謝。

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2014年6月20日金曜日

宮部みゆき『孤宿の人』を読む

本郷図書館でリサイクル本として無料提供されていた本の中に、宮部みゆき『孤宿の人』(上)があったので、(下)は図書館で借りて、読了した。

時は江戸時代、徳川十一代将軍、家斉(いえなり)公の頃。物語の舞台は四国の小藩・丸海藩。9歳の“ほう”は江戸・内神田の若旦那が奉公人に生ませた望まざる子供で、金比羅様詣でに連れてこられた途中で、捨て子同然に置き去りにされてしまう。幸いにも藩医を務める井上家に引き取られるが、やさしく“ほう”の面倒をみてくれていた井上家の娘・琴江が毒をもられ死んでしまう。

その頃丸海藩は、江戸で幕府の勘定奉行職にありながら、妻子や側近を切り捨てたとして流罪の身となった加賀殿を迎え入れるという、大変な役目を強いられていた。加賀殿は丸海に災厄を運んでくる悪霊、と領民は恐れおののき、領内はざわついていた。領内には不審な毒死や災いが立て続けにおこるようになる。

“ほう”は阿呆の“呆”だと言われ、江戸では邪魔者扱いされていたが、丸海に来て、井上家を去った後は、引手見習いの宇佐と姉妹のように暮らしていた。“ほう”は、誰も近づきたがらない加賀殿が幽閉された涸滝の屋敷に、下女として入ることになり、やがて加賀殿と心を通わせるようになる。加賀殿から毎日字を習い、数を習いしていくうち、加賀殿が罪を犯した人だとは思えなくなってくる。

実は丸海藩内に闇があって、この加賀殿騒動を利用している者たちがいるとが少しづつ明らかにされていく。真実を語れないまま闇に葬られていく善良な人たち、丸海藩を守るための秘策を水面下で進める井上家の舷洲・啓一郎親子、もうひとりの主人公ともいえる宇佐の死、などなど読み応え十分。何といっても、“ほう”の汚れのない無垢な心根が身にしみる。

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2014年6月18日水曜日

東京芸大ピアノ科 学内演奏会を聴いて

東京芸大では、学生に単位を与える授業の一貫としての「学内演奏会」なるものがある。5月から6月にかけて行われ、一人あたり約30分と短いが、学内の奏楽堂で一般公開(入場無料)されている。平成26年度の芸大3年ピアノ科の演奏を聴きに行った。

ピアノ科の演奏は5日間行われる。演奏者も順番も曲も、当日のプログラムを見るまではわからない。午後1時30分から夕方まで5人が演奏。みな熱演であったが、この日の秀逸は務川慧悟(むかわ けいご)くん。バッハのイタリア協奏曲へ長調とバッハ=ブゾーニのシャコンヌニ短調を聴かせてくれた。イタリア協奏曲は安定感のある演奏。シャコンヌはふくよかでのびやか。務川くんの宇宙に連れて行ってもらった至福のひと時だった。

5月21日の演奏会では、阪田知樹くんのベートーベンとリストにも大感動した。音の一粒一粒に神経が注がれた演奏で、胸が苦しくなるような緊迫感と解き放たれたあとの浮遊観が何ともいえず心地よかった。

ふたりは3年生ながら、2014年度のモーニングコンサートにも選抜されていて、務川くんは来週6月26日(木)にラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、阪田くんは7月24日にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番を弾く。

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2014年6月17日火曜日

文京区教育の森から小石川5丁目界隈

◎TOKYO PHOTO BUNKYOKU-KOISHIKAWA 6.2014









◎text
文京区大塚にある教育の森公園と窪町東公園から、湯立坂を横切って小石川5丁目に入る。坂道の両側に小綺麗なマンションが建ち並ぶ。

路地を入ると、愛知県の学生会館や建設中の女子寮などがある。その先には巨木を残したままの古い民家があって、同じ区域にある重要文化財の旧磯野家住宅「銅御殿(あかがねごてん)」とともに、歴史ある街並を遺している。

文京一中やバラや蔦に覆われた古民家風の居酒屋を見ながら、竹早公園内にある小石川図書館に立寄り、情報収集と休憩。小石川図書館は文京区で一番歴史ある図書館とのこと。雑誌・新聞閲覧室も狭くて、何だか落ち着かない。

千川通りから小石川植物園前へ。植物園の目の前にあるオフィスビルの2階で写真展をやっていたのでおじゃました。

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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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2014年6月16日月曜日

文京区大塚 教育の森公園

◎TOKYO PHOTO BUNKYOKU- KYOIKUNOMORI 6.2014










◎text
小石川植物園から千川通りに出て、窪町東公園の交差点を茗荷谷方向に上ってくると、右手は木立に囲まれた窪町東公園から教育の森公園になる。坂は湯立坂と呼ばれる。

教育の森公園は 旧東京教育大学(現在の筑波大学)の跡地に、昭和61年に開園した緑ゆたかな公園。現在は公園入口に筑波大学附属学校教育局と放送大学学習センターが入る建物があって、真ん中に自由広場、その周りには子ども達が遊べるじゃぶじゃぶ池やベンチなどがある。この日は広場でちょうどフリーマーケットが開催されていた。

奥には文京スポーツセンターもある。バスケットやバレーボールの競技場や卓球場、大プール、小プール、トレーニング室、柔道や剣道、弓道などの設備も完備されて多くの人が出入りしている。

スポーツセンターの先に、ベンチに座るすらりとした若いふたりの女性像があった。朝倉響子作の「フィオーナとアリアン」。朝倉響子さんは彫刻家朝倉文夫の次女。都庁の都民広場や府中の森公園、府中市役所前、町田駅駅前、横浜馬車道沿いなどにも作品が展示されているとのこと。

木立の中で、のびのび遊ぶ子どもたちの姿を目にする。都心の真ん中で、住民にとっては貴重な憩いの場になっている。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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2014年6月13日金曜日

5月の谷根千 へび道・谷中墓地など

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEZU-SENDAGI ; 5.2014







◎text
まだ寒い日が続いていた5月。連休中の谷根千。ふだん静かな通りも賑わっている。
へび道沿いのかばんやさん。無造作に置かれたかばんは、どれもお買い得価格。覗いている人も多い。
家の軒先や塀越しに花が咲きみだれている。
谷中墓地は緑が繁る。和服姿がよく似合う場所。
築地塀で知られる観音寺の西側には、加納院、本立寺、安立寺があって、初音広場に続く。
初音広場斜面の高台から眺める夕日も、都会では得難い光景。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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2014年6月11日水曜日

旧東京医学校本館(現東京大学総合研究博物館小石川分館)

◎TOKYO PHOTO u-tokyo.ac.jp/exhibition 5.2014








◎text
文京区の小石川植物園内にある東京大学総合研究博物館小石川分館に立ち寄った。前身は旧東京医学校として東京大学本郷キャンパスに建てられたもので、明治初期の貴重な歴史的遺産とされている。2001年に一般公開されるようになった。

昨年3月に丸の内のJPタワーに、学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」が開館し、そこに小石川分館で展示されていた学術標本や教育機材の多くが移転された。それに伴い、この建物も2013年12月に建築ミュージアムとして、リニューアルオープンしたのだ。

広い室内はひんやりとしていて、一階のバルコニーから小石川植物園の緑を思い切り楽しむことが出来る。昔はどこの図書館にもあった検索カードを収納する棚がずらりと並ぶ。木がむき出しの天井は、より頑丈に耐震補強されている。世界の民俗学資料の部屋にはカヌーが展示されている。

建築模型コーナーでは、内外の著名な近現代建築の模型が展示されている。医学部標本用のガラスケースには小さな模型が納められ、また、東京大学建築コーナーでは、明治大正期の東京大学本郷キャンパスの歴史的建築物の模型が展示されている。

月、火、水曜日は休館。開館時間は10:00―16:30。入場は無料。

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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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