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「一年の無事に感謝し、来る年の幸を願う」とされる酉の市。商売繁盛、家内安全の縁起熊手の中にあって、異色なのは世相を反映した熊手。総選挙だ!、維新の会、石原新党や政治家の似顔絵などがぺたぺた貼られたオリジナル熊手は楽しい。
熊手の種類も色々ある。飾りの差し物が手作りで一見して赤く見えるのが赤物熊手、機械造りで上部に緑の松を飾ったものが多く、差し物にはおかめの面を始め大判小判、松竹梅、鶴亀、米俵などおめでたいものが勢揃いしている文化熊手(青物熊手)、船の帆を大きくしてお宝を満載した宝船七福神熊手、竹ざるのなかにおかめの面や升などを入れた比較的シンプルなみの熊手など。他にも和風小物としても愛らしいミニチュア熊手やインテリアの置物になる熊手なども売られている。
酉の日の午前零時に打ち鳴らされる「一番太鼓」を合図に始まり、深夜24時まで終日行われる酉の市。歴史は古く、宝暦・明和年間(1750~60年)にはすでに酉の祭は相当な賑わいだったとの記録もあり、樋口一葉の「たけくらべ」、広津柳浪「今戸心中」、久保田万太郎「三の酉」、沢村貞子「私の浅草」など、多くの文学作品にも登場する。
境内から一歩外に出ると美味しそうな臭いが漂ってくる。焼きそばやたこ焼き、焼き鳥、唐揚げ、おでん、煮込み、ベビーカステラなどお祭り定番の店がずらり並ぶ。東京名物のべったら漬けの店もある。日が暮れる時間になるとますます人が増えてきた。仕事帰りの人が立ち寄る夜7時頃にはごったがえし、入場制限も行われるらしい。
◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
http://photos-of-tokyo.blogspot.jp/
◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
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http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html
photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko
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