2012年10月24日水曜日

谷中・根津・千駄木 路地と秋の草花(2)

◎TOKYO PHOTO  YANAKA-NEDU-SENDAGI ; 19.10.2012










◎text
根津・千駄木の路地には魅力的なカフェや雑貨店、飲食屋、小さなアート工房などがたくさんある。また個性的な新刊書店、古書店なども多く、さすが文学の町というにふさわしい店があるのも嬉しい。

団子坂下から不忍通りを根津方面に進み、根津裏門坂の手前にあるのが新刊を扱う「往来堂書店」。1996年にオープンしたこの店のモットーは「棚は管理するものではなく、編集するものである」。利益の出やすい雑誌に儲からない書籍を便乗させるのではなく、書籍を売上の中心に据えて書店の既成の概念を打ち破った。店長自らが本を選び棚を編集する。お客さんとの関係の中にしか売れる本のアイディアはないとも言う。中に入ると確かに一つの世界が広がっていて、いつまでもこの場で本にふれていたいと思う。

生花店には柚の木の鉢や飾り用のかぼちゃ、シクラメンや菊の花など、秋を感じさせる花々が並ぶ。串揚げ専門店「はん亭」の風情のある木造建物に、絵心のある社長自らが筆をとったという作品が額に入れられさりげなく飾られている。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko

2012年10月23日火曜日

谷中・根津下町まつり(梅后流江戸芸かっぽれと昔あそび)

◎TOKYO PHOTO YANAKA-NEDU FESTIVAL ; 20.10.2012








◎text
谷中・根津下町まつりは、メイン会場の根津神社のほかサブ会場として、須藤公園やよみせ通り延命地蔵尊前、藍染大通りなどの9会場でもさまざまなイベントが行われた。根津神社の帰りに藍染大通りにまわってみると、梅后流江戸芸かっぽれの踊りが披露される直前だった。賑やかな音楽とともに始まったかっぽれは勢いのある少し滑稽な踊り。揃いの衣装に身を包み、一糸乱れぬ踊り手の人たちは全員中高年のベテラン女性。粋でいなせ江戸の大衆芸というにふさわしい。

かっぽれは江戸時代、大阪の住吉大社の住吉踊りに端を発するとされる。寄席演芸の演目やお座敷芸、また歌舞伎の市川団十郎、左団次が歌舞伎に採り入れたこともあって庶民にひろまっていったとのこと。「かっぽれ」の語源は「岡惚れ(おかぼれ)」。

梅后流江戸芸かっぽれグループ代表の桜川梅后さんは、かっぽれの伝承普及に貢献しているとして国際芸術文化賞や文部大臣賞などを受賞している。様々な祭りや文化行事に出演し、老人ホーム慰問や海外のフェスティバルなどにも参加する一流の踊り手の皆さんたちだ。

藍染大通りではこれらのイベントのほか、道路一杯に広げられたビニールシートの上でベーゴマやけん玉、めんこなどの昔遊びや、木工遊び、チョークで道路にお絵描き、革細工など子どもたちがのびのび楽しそうに遊んでいた。

須藤公園の方でもコーヒーやビール、焼きそば、焼き鳥などを売る模擬店や、夏祭りの写真展、古本コーナーなど町内会の人たちが中心になって盛り上げていた。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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photo ; Utsunomiya Tamotsu
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2012年10月22日月曜日

谷中寺町・下町の四季(秋)

◎TOKYO PHOTO YANAKA-TERAMACHI ; 10.2012










◎text
谷中には大小合わせて約70もの寺院がある。谷中は1丁目から7丁目まであるが、住宅地より寺院のしめる敷地の方がはるかに広い。江戸時代、上野に寛永寺が建てられると谷中にもその子院が次々と建てられたことによる。また、幕府の政策により慶安年間(1648年〜1651年)に神田付近から多くの寺院が移転したからとも言われる。

谷中5丁目にある観音寺は瓦を練りこんだ築地塀と赤穂浪士ゆかりのお寺として知られる。山門をくぐると右手に大師堂、正面に本堂が構え、左手には台東区保護樹林のクスノキが二股にわかれて堂々と聳えている。根元にはひこばえの芽が出ていて、可憐な花も咲いている。

谷中1丁目の王林寺は巨木に囲まれた広い敷地を持つ寺。山門を進むと右手に昭和の大横綱“千代の富士”の像がある。裏手にまわると井戸があり、奥に墓地が広がる。この寺に東京都指定天然記念物のシイの木があると聞いていたので、寺の人に見せてもらった。その木は建物の裏手の奥まった所にあり、戸の鍵を外さなければ入れないようになっている。シイの種類はスダジイ。幹の太さは6メートル近くある巨木。天正19年(1591)現在地に創建された玉林寺よりもさらに以前から存在していたと言われ、大切に守られてきた。

谷中1丁目の有名なヒマラヤ杉の下のみかどパン店から、右の横丁を入ると(故)岡本文弥さんの稽古場兼ご自宅があった家がある。現在は新内の稽古場となっている。そのすぐ右手は岡本家菩提寺の妙福寺。門を入って奥に進むと文弥さんや奥さんの六代目・岡本宮染の入った岡本之墓がある。文弥さん筆跡の句を味わいながら手を合わる。ここの桜の木を文弥さんはことのほか愛した。

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2012年10月21日日曜日

根津・千駄木下町まつり(1)

◎TOKYO PHOTO NEDU-SENDAGI FESTIVAL; 20.10.2012









◎text
10月20日(土)の根津・千駄木下町まつり。メイン会場の根津神社境内では、朝10時から様々なイベントがスタートした。表参道口から鳥居をくぐって入場すると、鷗外のふる里の島根県津和野町、石川県、福島県会津美里町、山形県小国町の物産店や千駄木や根津の町会による模擬店など、賑やかにずらりと店舗が並んでいる。

おでんや芋煮やすいとん、岩魚の串焼きや焼き鳥などのいい匂いが立ちこめる。ビールや酎ハイなどのアルコールの他、おにぎりやフランクフルト、綿菓子などもある。東洋大学の学生たちが小さなフライパンで焼くのは、今どき珍しいカルメ焼き。手さばきもなかなかのもの。隣ではたい焼きも焼かれている。

神橋を渡って楼門手前右手のふれあい広場では、子どもたちによる鼓笛隊や吹奏楽などの他、太郎次郎一門の猿芸ショーも行われた。猿の曲芸に子どもたちも大喜び。

50店ものフリーマーケットが出て、大勢の客が真剣な表情で掘り出し物を探している。まとめて購入して随分値切っている人もいる。昼頃には大変な人出になっていた。

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2012年10月20日土曜日

根津・千駄木下町まつり会場と野外映画祭

◎TOKYO PHOTO NEDU-SENDAGI FESTIVAL; 19.10.2012








◎text
10月20日(土)21日(日)両日は、文京区の根津・千駄木下町まつりが開催される。メイン会場は根津神社境内。楼門前のふれあい広場では汐見、根津、千駄木の近隣小学生による鼓笛隊の演奏からジュニアオーケストラ、和太鼓ほかかっぽれや大道芸なども催される。子どもひろばやフリーマーケット、縁日や物産展などのエリアもあり、二日間さまざまなイベントで楽しめる。

サブ会場として不忍通りふれあい館、藍染大通り、宮永仲通り、根津銀座通り、千駄木二丁目、よみせ通り延命地蔵尊、須藤公園、鴎外特別企画展、文京区立森鴎外記念館などがあり、それぞれの会場をまわってスタンプを集めると、抽選で記念品がもらえるというおまけも付いている。サブ会場間を20分間隔で無料シャトルバスが走る。

前日の19日金曜日の夜、前夜祭と称して6時30分から「須藤公園にスクリーンを張って、鷗外の映画をみよう!」と、映画鑑賞会が行われた。作品は3本。最初は「ぶんきょうゆかりの文人たち――観潮楼をめぐって」。鷗外と観潮楼をとりまいた様々な文人達のことが詳しく紹介され、見応えのある作品だった。次はアニメ作品の「あんじゅとずしおう」。寒いなか小さな子どもも目立ったが、子どもが見ても大人が見ても楽しめた。

三作目は「高瀬舟」。監督は工藤栄一、脚本は松山善三で1988年の映画。京都の罪人を遠島に送るために高瀬川を下る舟に、弟を殺した喜助という男が乗せられた。同心の護送役の羽田庄兵衛は、喜助がいかにも晴れやかな顔をしている事を不思議に思い、舟の上で訳を尋ねる。同心役の前田吟と市原悦子のナレーションが光っていた。質の高い3作品を野外で上演するーさすが文京区である。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya Tamotsu
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