2014.11 Inside Llewyn Davis
舞台は1960年代のニューヨーク。住まいもなく寝る場所を転々とする売れないフォーク歌手のルーウィン・デイヴィスとその仲間たちが主人公である。その仲間の女性フォーク歌手を孕ませ、時に感情の高まりを抑えられず友人と激しく口論するルーウィン。だが、プロのソロ歌手としてのプライドも垣間見える。
かつてコンビを組んでいた相棒は自殺し、二人の唯一のアルバムは廃棄される運命にある。仕事を求め旅に出るものの、名うての音楽プロデューサーには認めてもらえない。
それでも、場末の酒場でギターを弾きながら自前の曲を歌い続けるルーウィンの孤独な風貌。
映像はグレーを基調として退廃的なムードを漂わせるが、時流におもねることを拒否し束縛を嫌う主人公の姿勢は、貧しくても自由を求める60年代の若者像を象徴しているようで共感できた。カラカラに乾いた咽を潤す一滴のしずくのように、この映画は現代が失った何かを問いかけているようだ。
◎2013年5月19日に第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別グランプリを獲得。
◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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text;Utsunomiya
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