2011年7月26日火曜日

新宿区神楽坂(1) 撮影;2011.7.21

◎TOKYO PHOTO  ; KAGURAZAKA  21.7.2011











地下鉄飯田橋駅を降りて神楽坂方面への脇道を入ると、ギンレイホールという昔ながらの映画館がある。ロードショーが終わった映画の中からセレクトして2本立てで上映するという名画座だ。日本やアジア、ヨーロッパなど「国境なきラインアップ」で上映されるので、見逃してしまった時や、もう一度見たいという作品があるときには嬉しい。ギンレイホールを左折すると、居酒屋やラーメン店が並ぶレトロな雰囲気の路地がある。

神楽坂通りに出ると、浴衣姿の若者やカップルが次々と坂を登って行く。狭い歩道に屋台がたくさん並んでいるので聞いてみると、「神楽坂祭り」だという。20日(水)と21日(木)は夕方5時過ぎから「ほおずき市」、22日(金)と23日(土)は「阿波踊り」が開催されるという。ちょうどいい日に訪れた。

神楽坂通りの毘沙門天周辺は夕刻になると、次から次へ人が集まってきて、通行が困難になる程のにぎわい。毘沙門天境内では子どもたちの金魚すくい、ヨーヨー釣りなどが行われ、境内特設ステージでは迫力ある演歌が聞こえてきた。

地元の味自慢の屋台が並ぶなかに、福島県産のお菓子や野菜、お酒などの商品を売る屋台も出ていた。震災復興を願いながらおいしくいただいた。

photo ; 宇都宮 保

2011年7月22日金曜日

千代田区外神田・台東区秋葉原 撮影;2011.7.21

◎TOKYO PHOTO  ; AKIHABARA  21.7.2011






アナログ放送終了の日が近づいてきたが、秋葉原でも地デジチューナーが売り切れだという。まだ十分見続けられるテレビを廃棄処分にすることに納得できない人も多いだろうし、このままでは、かなりの人が7月24日からテレビを見ることができなくなる。特にお年寄り世帯は大丈夫だろうか。

スマートフォンの普及により若者のパソコンやテレビ離れが加速している。この機会に、メディアとの接し方を考え直してもいいかもしれない。巨大な広告が林立する秋葉原の中心街。この街も時代の流れを大きく受けている。

photo ; 宇都宮 保
文;長谷川

2011年7月20日水曜日

TOKYO点描(5)撮影2011.4-6

◎TOKYO PHOTO  ;  4.6.2011








台風が近づいている。
雲の動きもあわただしい。少し明るくなって雨が止んだかと思うと激しい雨に変わる。引き戸が強い風でガタガタ音をたてている。雨の日は、道路を走る車の音が水しぶきの音を加えて、より一層にぎやかだ。電車もしめった音をたてて走っている。
東京のこのさまざまな音にも慣れてきて、雨風を楽しむ余裕が少しでてきたようだ。

photo ; 宇都宮 保

2011年7月19日火曜日

港区南青山界隈 撮影;2011.7.17

◎TOKYO PHOTO  ; MINAMIAOYAMA  17.7.2011



















青山通りから南青山方面に入ると、高級ブランドショップやフレンチレストラン、バーが何気なく並んでいたり、信号待ちしている車はどれも高級外車だったり、外国人の家族連れがラフな感じで歩いていたり…。若者が憧れる街南青山の良さは、おしゃれ感がさりげないところ。そこに住んでいる人がそこの店に入るというような、日常の一部になっているあたりではないかと感じる。

周辺を歩いてから表参道通りに戻り、回転寿司屋に入った。元気のいい店員はインド系の人か、日本語も板についている。しかし、ときどき日本語になってない言葉が混ざりちょっと笑える。夕刻歩く表参道通りはケヤキ並木が美しく、肌をよぎる風が心地よい。少し裏通りに入ると「For Rent」の張り紙を貼った空き店舗がチラホラ目についた。

photo ; 宇都宮 保
文;長谷川

2011年7月18日月曜日

映画「ボヴァリー夫人」監督;アレクサンドル・ソクーロフ

◎TOKYO PHOTO  ;  Madame BovaryAlexander N.Sokurov ) Saturday.7.2011

原作はこれまで何度も映画化されてきたフランスの作家フローベルの「ボヴァリー夫人」。本作は、ロシアの監督アレクサンドル・ソクーロフが原作の舞台をフランスからロシアの片田舎に移し映画化した作品、と下記の公式サイトに紹介されている。

http://www.pan-dora.co.jp/bovary/

内容は原作をソクーロフ風にデフォルメしているようで、バタバタと動き回るだけの、セリフも異様にかん高く、彫りの深い目鼻立ちはしているものの年齢不詳であるボヴァリー夫人エマといい、ギョロギョロとした目つきの、汗っかきの、しかも小太りの夫のシャルルといい、いわゆるボヴァリー夫人の代名詞のようにいわれる「官能的な描写」とはほど遠いところにある映画だった。映画のほとんどの場面でハエがぶんぶんと飛び回る描写や効果音も、辺境なロシアの田舎の貧しさを映しているだけで、ほとんど効果をあげていない。

ただ、コンピュータグラフィクスだけが見所のハリウッド映画でもない、濃厚な人間の内面を描くフランスの映画でもない、ギラついた時に軽妙な中国の映画でもない、根源的な生を問いかけるイランやイラクの映画でもない、そうした映画のいずれの領域にも入らない、大陸的で、しかもソクーロフ彼自身の映画という点では見るべき価値のある映画であった。これこそ映画が映画であり得る愛すべき芸術性かもしれない。

白い岩場が広がる田舎の冒頭シーンに不自然にレクイエム音楽が流れ、最後のボヴァリー夫人の埋葬シーンで再びこのレクイエムが流れる、こうしたある種の「分かりやすさ」もロシアの芸術のひとつの断片をみるようで、思わずニンマリと頷いてしまった。

文;宇都宮 保

2011年7月16日土曜日

TOKYO点描(4)撮影2011.4-6

◎TOKYO PHOTO  ;  4.6.2011









●雑感
東京の下町や山手で見聞きするものには懐かしい光景がたくさんある。
と同時に、厳しさもあれば人情も感じる。
この混沌とした世界が東京なのかもしれない。

photo ; 宇都宮 保

2011年7月15日金曜日

映画「スリ」監督;ロベール・ブレッソン

◎TOKYO PHOTO  ;  PICKPOCKET(Robert Bresson) Sunday.7.2011

何かに怯えているようなおどおどとした目。たどたどしい自信のない口調。その「演技」は俳優のそれとは思えない。ブレッソンは素人をよく映画に起用したという。細かい演技を期待するのは難しいが人間のおいたちや性格が地のままスクリーンに出る効果がある。ブレッソンの狙いもそこにあったのかもしれない。

よれよれの背広を着た貧しい青年。スリを犯罪と認めつつも、社会へのささやかな抵抗として位置づけ正当化する。この映画はそうした主人公のモノローグで進行する。
母から金を奪ったことを導火線としてスリを働くようになった青年は、稚拙な行動で警察に逮捕される。しかし証拠不十分で釈放。その後、スリのプロから様々なテクニックを教わり、ついにはプロ仲間と組み、目を付けた「獲物」のポケットやバッグから次々と現金や財布を奪い取っていく。

時には競馬場で時には駅舎で繰り返される華麗でスリリングなスリのテクニック。ブレッソンはこのシーンを自ら楽しんで撮っているかのようだ。随所で登場するフランス紙幣もシンボリックである。背広の胸ポケットに紙幣を無造作に入れる紳士風の金持ち。銀行から紙幣を引き出す貴婦人。そして、彼らから奪い取った紙幣をスリ仲間が分け合うシーン。この映画から24年後に製作された『L’ARGENT』(金)でも紙幣はブレッソンの主題になくてはならない重要な要素として扱われているが、すでにこの映画で未来が用意されていた。

写真家でもあったブレッソンの撮影も見応えがある。当時の機械的な制約があったとはいえ、標準レンズできっちりと切り取られた一つひとつのカットは端正で、登場人物と適度な距離感を保っている。主人公の青年に惹かれる女ジャンヌの陰影ある表情も美しく、見事なモノトーン映像に仕上がっている。

最後はおとり捜査で捕まるが、青年はジャンヌへの愛情に気づき更生しようと決意する。近くにあると思っていたものが遠ざかる場合もあるが、遠くにあると思っていたものが近づいてくる場合もある。社会の秩序に身を置くことを遠いと思っていた主人公が、愛するものの力により変化していくラストシーンは、凡庸だが爽やかだった。

◯『スリ』(74分/B&W)
“映画の國 名作選Ⅲ ロベール・ブレッソンの芸術”
7月15日(金)まで
渋谷シアター・イメージフォーラムにてニュープリント版で上映中。
www.eiganokuni.com/meisaku3-bresson/

文:宇都宮 保