2012年10月22日月曜日

谷中寺町・下町の四季(秋)

◎TOKYO PHOTO YANAKA-TERAMACHI ; 10.2012










◎text
谷中には大小合わせて約70もの寺院がある。谷中は1丁目から7丁目まであるが、住宅地より寺院のしめる敷地の方がはるかに広い。江戸時代、上野に寛永寺が建てられると谷中にもその子院が次々と建てられたことによる。また、幕府の政策により慶安年間(1648年〜1651年)に神田付近から多くの寺院が移転したからとも言われる。

谷中5丁目にある観音寺は瓦を練りこんだ築地塀と赤穂浪士ゆかりのお寺として知られる。山門をくぐると右手に大師堂、正面に本堂が構え、左手には台東区保護樹林のクスノキが二股にわかれて堂々と聳えている。根元にはひこばえの芽が出ていて、可憐な花も咲いている。

谷中1丁目の王林寺は巨木に囲まれた広い敷地を持つ寺。山門を進むと右手に昭和の大横綱“千代の富士”の像がある。裏手にまわると井戸があり、奥に墓地が広がる。この寺に東京都指定天然記念物のシイの木があると聞いていたので、寺の人に見せてもらった。その木は建物の裏手の奥まった所にあり、戸の鍵を外さなければ入れないようになっている。シイの種類はスダジイ。幹の太さは6メートル近くある巨木。天正19年(1591)現在地に創建された玉林寺よりもさらに以前から存在していたと言われ、大切に守られてきた。

谷中1丁目の有名なヒマラヤ杉の下のみかどパン店から、右の横丁を入ると(故)岡本文弥さんの稽古場兼ご自宅があった家がある。現在は新内の稽古場となっている。そのすぐ右手は岡本家菩提寺の妙福寺。門を入って奥に進むと文弥さんや奥さんの六代目・岡本宮染の入った岡本之墓がある。文弥さん筆跡の句を味わいながら手を合わる。ここの桜の木を文弥さんはことのほか愛した。

◎PHOTOS OF TOKYO CITY by t.utsunomiya
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◎東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
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photo ; Utsunomiya Tamotsu
text;Hasegawa Kyoko

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