2012年3月22日木曜日

足立区北千住路地裏界隈(2)

◎TOKYO PHOTO  ; KITASENJYU no2. 20.3.2012




千住大川町にある大川町氷川神社には布袋尊が、千住元町の元宿神社には寿老神が祀られている。千住の町おこしを願って、近隣の寺社に縁起のいい七福神の石造を安置し「千寿七福神」と命名した。歩いても2〜3時間程度で七福神巡りができるので、人気の散歩コースになっている。

千住柳町にはかつて遊郭があり、昭和32年に赤線が廃止されるまで数十件の業者が営業を続けていたという。今はどこにもその形跡はない。かすかにあるとすれば、千住大門商店街振興会の「大門」の文字にのみか。1968年に刊行された五木寛之のミリオンセラーのエッセー集『風に吹かれて』の中に、千住遊郭でのことが書かれているとのこと。

昨年歩いたときに比べ、新築の住宅が少し増えている気がする。震災を受け、古い建物の取り壊しが進んでいるのだろうか。この界隈は何といっても東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」では火災、建物倒壊の危険が最も高い地域のひとつに指定されているのだ。安全を優先すれば道路を広げ、耐震や防火に強い建物を建てるということになるのだろうが、地域の特性を生かしながら震災にも強い街を作るのは並大抵のことではないだろう。

周辺を歩いて荒川土手の方向に進む。千寿双葉小の近くの塀に、鈴なりのみかんの木と面白い貼り紙を見つけた。「みかんを取らないでください。まだ、食べられません」…ユーモアのある言い方に笑える。荒川土手に上ると、国道4号線・日光街道沿いのマンション群と手前の密集した住宅群の全体が見渡せる。

※東京都市モノローグ2011年の総集編(漂流する東京)
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto1.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto2.html
http://www.utsunomiya-design.com/photograph/tokyophoto3.html

photo ; 宇都宮 保 
文;長谷川 京子

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