2012年2月24日金曜日

文京区湯島3丁目界隈










東京メトロ千代田線の湯島駅を降り天神下の交差点に立つと、ちょうど昼どきで周辺の飲食店は賑わっている。湯島天神の梅まつりを見た後、どこの店に入ろうかと迷っている中高年グループが目に入る。路地に入っていくと老舗や料亭など風情のある店構えが多い。

湯島天神下はかつて湯島花街だった場所という。湯島中坂上交差点付近には小さなホテルが立ち並んでいて独特の雰囲気がある。湯島白梅商店会の湯島よもやま話によると、かつて芸者さんたちの置屋が数件あり、昼間はスッピンで歩く女性が夜になると綺麗になって化けて出てくるとの事から呼び名がついたと言われている「お化け横町」や、冬は酒を五合呑まねば出歩けないほど通り抜ける北風が骨身にこたえた「五合通り」などの通り名が地元には残っている。

湯島は1丁目から4丁目まであり、商店やオフィス、マンションや民家と職住が共存するエリア。地名の由来は江戸時代以前、海から見るこの地があたかも島のように見えたことからついたということで、湯島郷とよばれていたという。不忍池は海とつながっていたらしい。東に上野アメ横と御徒町、北は不忍池になっている。

坂が多いのもこの街の特徴。湯島天神には男坂、女坂。湯島天神の正門前の道には中坂、実盛坂、三組坂、妻恋坂、清水坂などがある。中坂は、湯島天神の男坂と妻恋坂の間に出来た坂なので中坂。実盛坂は階段のある急坂。三組坂は徳川家康の死去にもとない、家康お附きの中間、小人、駕籠方「三組の者」に、当時駿河町といわれていたこの地一帯を与えたことにより名づけられた。妻恋神社が近隣にあるために名づけられた妻恋坂。清水坂は大正時代に清水精機会社という会社が、一部の土地を町に提供し坂道を整備した。清水家の徳をたたえて名づけられたという。

湯島天神から下りてきて路地を抜けると、やなか珈琲店からいい香りが漂ってきた。

photo ; 宇都宮 保 
文;長谷川 京子

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